演奏・指導理念

永年の指導経験から様々なお子様や親御様、若者達、現場の先生方と出会って参りました。

子育てについてや教育、毎日の練習、トレーニング法、また社会問題に至るまでご相談頂き切実な声をお聞きする機会に恵まれました。 そこで私は音楽を通し何か出来ないか!何が出来るか!を考える日々を送ってきました。

講師は指導に対する知識、観察、接し方等だけでなく、講師自身が細部に至るまで悩み、生徒の目線たち様々な状況を経験することで指導が深まります。 日々、勉強ではございますが、生徒の先を見てチャンスを与え続けると共に、生徒お一人お一人と共に成長し励ましあい充実した指導ができればと思います。

自らの心と体の各部分の動きを知り、コントロールする喜びを伝えます。

これはまず弦楽器というのは驚く程、柔らかい楽器ということです。木も弦も弓も音色も・・・。 そこに固い骨をもつ我々、人間が関わるということ・・・よく考えますと、難しい楽器であるのは確かです。 しかし人間っぽい親しみのある楽器でもあるのです。 体・肩肘・手首・指先だけでなく心も柔らかくする事で、音色も変わり、その後の生き方も快適なものに変わります。 そこにヴァイオリンを学ぶ一番の素晴らしさがあるのではないでしょうか。

音楽家としてのライフワーク

音楽家として私がもうひとつライフワークとしてきた事があります。
それはあと数日、数か月の「命」と向かい合う緩和ケア病棟や認知症病棟、人工透析センター、社会福祉介護施設、スクールコンサートのボランティア活動です。
長く生き、その最後の瞬間、天国のような空間をつくるデリケートな奉仕活動でした。

こんなことをふと思い出します。それまで認知症により患者様が荒れ,何か月も手が腫れるまで(時には縛られ)机を叩き看護師にクレームを言っていた患者様がふと私の音楽を聞いた瞬間から本来の貴婦人の表情に戻り、「この作品は●●ですよね?」と、話しかけて下さり、継続する中、回復していったことです・・・。
看護師も当初、信じられず「あれ 〇〇さんどうしちゃったの!?」と驚いていらっしゃいました。
その時、私はかつて怪我から回復した自分自身を思い出し、改めて音楽の力に感謝しました。

現代の科学で認知できる領域はまだ限られていますが、それを超えた体験でした。指導する中、子供達にはその音楽の素晴らしさも伝えていければと思います。

音楽で私たちは何が出来るか・・・その可能性を追求する教室です。

世界の平和に向けて、武力ではなく文化力を通し高め合う事を願います。 「平和」であってこそ芸術活動は出来ます! 人は武力や議論でなく「感動」からのみ、心の奥底にある思いを変え真の信頼関係が築かれるのではないでしょうか。 それが唯一可能である芸術に携われることに感謝し地域から世界に向け「芸術で築く平和で街づくり」を実践して参ります。 この限りある人生、私達は「土の器」に過ぎません。 しかし魂からの充実と希望を与える芸術によって、おひとりおひとりが忙しさや困難の中にあっても、人間らしさを取り戻し、生きる喜びを感じて頂ける事が出来れば、それは大変、素晴らしい事ではないでしょうか?

末筆ながら弊室を日頃より見守ってくださり、お支えくださる先生方、保護者の皆様、地域の皆様に深く感謝申し上げます。 まだまだ未熟者ではございますが研鑽を重ね、地域に拓かれた教室!社会を切り拓く教室!を目指して行きたいと思っております。 弊室で学んだ子ども達が巣立ち、一日も早く皆様の一員になるよう精進して参りたく存じます。 今後ともどうぞ温かい応援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。